ウィッグユーザーの出産事情|出産する時はウィッグはどうするの?

ウィッグユーザーの出産事情

多くの女性にとって人生の一大イベントである出産シーン。「自分の分身が生まれる」というワクワクする感情と同時に、「いったい鼻からスイカを出すくらいの痛みって何?」と不安に思う女性も多いと思います。それに付け加えウィッグユーザーにとっては、「出産するときにウィッグはどうするの?」と、漠然と不安に思っている方も多いと思います。

ウィッグはしたまま出産?それとも外す?

尋常でない痛みと闘う時に、はたしてウィッグをつけたままで大丈夫なの?

以前、筆者のインスタグラムのストーリーでみんなに質問を投げかけた時に、思いがけず沢山の若いヘアロスと闘っている方達から、「今、まさに妊娠中でどうしようか悩んでいました!」「出産はまだ先のことですがとても興味があります!」と連絡をいただきました。

今妊娠中の方、これから妊娠をするかもしれない若い方達が、安心して出産という未知なる体験に挑めるように。ウィッグユーザーで出産を経験した先輩ママ達にアンケートの協力をしていただき、体験談をシェアしてもらいました。いろいろな体験談を知ることで自分に最適な選択ができるようになるとよいと思います。

目次

出産時、ウィッグは外す?外さない??

ウィッグを外したかどうかのアンケートの結果です。このようにウィッグを外すか外さないかは、ほぼ半々ですね。どちらにせよメリットとデメリットがありそうです。因みに4年前に息子を出産した私は、ウィッグをルームキャプに被り変えて出産に挑んだ「外す派」です。

ウィッグをつけて出産する派

どうしてウィッグをつけて出産することにしたんですか?

何といっても、赤ちゃんとの記念すべき最初の写真に可愛く映りたかったから。

お医者さんや看護婦さんにヘアロスやウィッグの事を伝えたくなかった。

ウィッグを外すのは家の中だけ。病院は公共の場所だから出産といえどもウィッグを外すのは考えられなかった。

いきなり陣痛が起こり、ウィッグの事を考える暇もなかったから

このような声が上がりました。普段の生活でも周りにカミングアウトをするのって煩わしいものですし、できればヘアロスのことは言わずにそのままさらっと出産に挑みたい方が多いようです。記念すべき出産後の赤ちゃんとの記念撮影の為に、頑張ってウィッグをつけて出産する方も多くいらっしゃいました。

ウィッグをつけて出産した場合のデメリット

1.ウィッグがズレないかどうか気になる
2.汗が気持ち悪い
3.ウィッグの髪が擦れて傷む

多くの方が「陣痛と戦っている時にウィッグがズレた!」と言っています。数名は、途中で我慢が出来ずにウィッグを脱いでしまったりという方も。汗が気持ち悪いという声も沢山あがりました。

ウィッグをつけて出産して良かった?もし次があったらどうする?

ウィッグをつけて出産された半数の方が「また出産することがあったらウィッグをつけて出産したい」と回答しています。残りの半数は、できたらウィッグを外したいよう。やはり、ズレたり汗を沢山かいたりとウィッグをつけての出産は快適さとは程遠いようです。

ウィッグをつけて出産した時の体験談

どちらも帝王切開出産、看護師さんや担当医さんには帽子やウィッグで良いか確認してから手術受けました。手術なので汚れないかなど気にしてくれて、看護師さんたちがつける手術着用の帽子も貸してくれました!(kkkkさん)

葉月

手術用の帽子を貸してくれる親切な病院もあるんですね!赤ちゃんが生まれたら自分のことは後回しになり、ウィッグを洗ったりする余裕もなくなるのですから、ウィッグの汚れ防止に手術用の帽子を貸してもらえないかを聞くのもよいですね。

26年前の事なので参考になるかわかりませんが話させていただきます。比較的安産だったので出産時は問題なかったです。むしろ4人部屋だったので、妊娠中何度も入院したり、産後の入院生活でウィッグが辛く思う時がありました。タイミングを見てたまにはずしたりしていましたがなかなか難しくリラックスは出来なかったです。(MFさん)

葉月

大部屋だとカーテンを閉めてウィッグを外したりになりますね。変に同部屋の人と仲良くなると、カーテンを閉めるタイミングとかに困りそう。

産院のシャワー室が共用だと、他の方とシャワーの時間が被ってしまう場合、ウイッグを外したりつけたりするタイミングに困るなぁと思っていました。シャワーのあとすぐにウイッグつけるのもつらいし…。そのため、産院に一室だけある特別室(個室・シャワー・洗面・トイレ付き)を予約しておきました。追加料金はかかりましたが、安心してウイッグのつけ外しができ、利用してよかったなぁと思っています。(YKさん)

葉月

お金に余裕があればやはり個室だと安心ですよね。シャワートイレ付きならばさらに快適。

ロングの人毛ウィッグを一つに結んで着けていました。出産でぐちゃぐちゃになりましたし、多少ズレたりもありましたが、助産師さんに特に説明している余裕もなかったので、これはこれでよかったのかなと思います。 出産後に写真を撮るのにスムーズでした。(匿名さん)

葉月

きっと助産師さんも介助に必死で多少ウィッグがズレても気にする余裕がなかったかも。周りの反応を気にするより、思い出に残る写真を優先するのも有りですね!

事前にウィッグの事は伝えていなかった。夜中に陣痛が来て病院へ…当直の看護師さんも1人しかいなくて伝える間もなく陣痛が進み4時間後にウィッグのまま出産しました。陣痛の痛みが激痛すぎてウィッグの事がきになる所でなかった…。(rikapyonさん)

葉月

ズレたり取れたりしなくて良かったです!陣痛が進んだら、本当に何でもよくなりますもんね。でも、もしもウィッグの事を伝えておきたいと思うのならば、予定日よりも余裕をもって早めに伝えておいた方が安心そう。

ウィッグにとにかく気を使いますし、寝る姿勢だと脱げやすいので、非常に不快でした。汗をこんなにかくと思わなくて。分娩中はいつもと違うところに力が入るし。主人に頭周りの汗を拭いてもらっていました。出産後の赤ちゃんとの撮影写真がどうしてもノーメイクだと全身脱毛症だと、後から人に見せれないすっぴん姿なので後悔です。1人目のときは特に余裕がないのは当たり前と感じます!(mitanさん)

葉月

分娩中はいろいろな姿勢になったり、もんどりうったりするのでウィッグもズレたり脱げたりしやすそう。出産後の赤ちゃんとの写真撮影について。私はノーメイクで部屋用のターバンをつけての出産でした。やはり息子との最初の写真はやや残念写真なので、門外不出にしています。全身脱毛症で眉毛もない方はアートメイクをしておくと、ノーメイクでも写真を可愛くとれるかも。(*アートメイクは妊娠中や授乳中は施術を受けられないので、するならば妊娠前に。)

ウィッグを外して出産した派

どうしてウィッグを外すことにしたんですか?

1.ウィッグがズレたりするのを心配する必要がないから
2.ウィッグが擦れたりで痛むことを気にする必要がないから
3.汗をかいても、蒸れなどが気にならない
4.出産に集中できる

私も余計なことに気を囚われたくなかったのでウィッグを外して出産に挑んだ派です。家用のキャップに被り変えました。リラックスして出産に挑めたので私は良かったと思っています。

ウィッグを外して出産した時のデメリット

1.出産後の赤ちゃんとの初めての記念撮影がウィッグ無しになる
2.事前に先生や助産師さん達にヘアロスの事を打ち明けておかないと、ウィッグなしの姿でびっくりされる可能性がある
3.ウィッグを外す計画をしていても、急に陣痛が来た場合などは外すタイミングを逃がす場合もある

一番のデメリットは、大切な記念写真の中の自分が残念なこと。けれども誰でも出産を終えた後は疲労困憊の状態です。ですのでそこまで気にする必要はないかもしれません。

ウィッグを外して出産する場合はどこで取るの?

私はあらかじめ「何月何日に産みましょう」と出産日を決めていた計画分娩でした。そのため自分のタイミングでウィッグからルームキャップに被り替えが可能でした。帝王切開の手術を受けると決まっている方も同じですね。しかし通常は陣痛って突然くるものです。どのタイミングでウィッグを取るか、その時になってみないと分からなさそうですね。

ウィッグを外した場合、代わりに何を被るの?

やはり普段家で被っているルームキャップが大多数です。筆者もそうでした。必死で記憶を手繰り寄せると、陣痛で苦しみながらも時々キャップに手をやり、ズレを直したり、脱げないようにしていたように思います。それでもウィッグを気にするよりも、ずっと楽だったと思っています。素頭派の方も数人いらっしゃいました。タオルを巻いた方も。タオルならば沢山汗をかいても快適ですね!

ウィッグを外して出産した時のエピソード

必死の時に髪の毛が気持ち悪いのがイヤだからバースプランの時に事前に言って用意したタオルを巻いた。快適だった。写真もタオルを巻いて取った。(みつこさん)

葉月

タオルだったら沢山汗をかいても快適ですよね!!やはり事前にバースプランをしっかり練ることが後悔しないポイントかもですね。

緊急帝王切開で、通っていた病院ではなくて、救急搬送された大きな病院で手術になったので、あまりウィッグのことを「どうしよう…」と悩む余裕がなかったです。普段着から手術の服に着替えさせてもらう時に、一緒にウィッグも外れたので、そこで看護師さんや医師にウィッグだと言いました。大きい病院の方たちだからか、慣れた様子で「あら!なら手術直前まで被ってて良いよ〜」と言われたのでホッとしたのを覚えています。(さとこさん)

葉月

やはり大きな病院だと色々な患者さんがいるので、そんじょそこらのことではびっくりしないんですね。救急搬送されたりなど、きっと髪の事どころではなかったと思います。

出産時、産後入院中はウィッグなしで過ごしたかったので病院の人に髪の毛ない事を伝えて他の人に会わないようにしてもらいました。(まいさん)

葉月

やはり病院の人に予めヘアロスの事を伝えておくと色々便宜を図ってもらいやすくなりますよね。

痛すぎて暴れていたし頭を気にする余裕がないから、気がラクでした(笑)産み終えてからは、個室だった事、子供だけ別の病院に運ばれてしまったので、看護師達の気遣いから寝ていただけだったので、入院してる人達との交流がないのでありがたかった。これで、他の方達と交流があったとしたら、産み終えてからはウィッグをかぶっていたと思います。(まぁちさん)

葉月

やはりウィッグ無しの方が思いっきり暴れられ気が楽ですよね。産み終えてから病室で過ごすときも個室ならばルームキャップの方が楽そう。

病院の人たちは髪の毛がない事を知っていたのでウィッグなしでも人の目気にせず出産する事ができました!汗かくのでウィッグは避けたかった…(まいさん)

葉月

お世話になる病院の人たちには事前に言うと気が楽になりますね。

見た目を気にするよりも陣痛の痛みが強くて帽子を被って病院へ向かった。頭から汗かくし暑くて帽子も外して素頭で出産した。落ち着いたら帽子を被り直したが助産師さんにどう思われていたのか今思うと気になる。(めんめんさん)

葉月

クーラーも聞いてるとはいえ、ほんと汗だくになりますよね。その時になってみないと分からない事沢山です。

おしるしがあって、入院したときはコットンのルームキャップをかぶっていましたが、陣痛が酷くなるとそれどころじゃなくなり、いつの間にか脱いでいました。脱毛部位が見えることなど気にしてる余裕は皆無でした。(うたこさん)

葉月

いつの間にか脱げますよね。ルームキャップを被り出産の場合は脱げにくくする工夫など必要かも。

私の場合は厳密に言うと当てはまらないのですが、どなたかの参考になればと思い書かせていただきます。 小さい頃から多発型の脱毛症で、よくなったり酷くなったりの繰り返しでした。ちょうど出産した時はすごくよくなって奇跡的にウィッグ無しで過ごせた時期でした。いつもは脱毛症がよくなる時期でも、ウィッグが手放せるまで治る時はなかったです。 妊娠中はウィッグを着用しており、産婦人科で出産時の対応のアンケートを書く時に、脱毛症の事について触れられる項目がありました。 正直に脱毛症である事に回答したら、出産時の時はどういう対応をしたら良いのかDrに聞かれました。(もも太郎☆さん)

葉月

やはりお医者さんに相談すると、寄り添ってくれて気が楽になりそうですね。

このStyle with Wigsにてウィッグユーザーの為の気軽にできるセルフケアについて執筆してくれているmitanさんからもコメントいただきました。mitanさんは一人目はウィッグをつけて、二人目はウィッグを取って出産に挑んだそう。沢山参考になる意見をいただきました!

1人目は事情をはなしていましたが、ウィッグを付けて来院。分娩室で途中から素頭に帽子。2人目のときはママ友が多い医院だったので、バレたくなくて、先生にもはなしていません。最後まで粘り分娩中も外したくなく、でも邪魔になり分娩中にカミングアウト的に外しました。(mitanさん)

出産後の入院中はノックしてお部屋に看護士がくる時、ノックなしで入ってくる時とある場合があり、私は電話連絡して来てもらうようにしてました。落ち着かないので、ゆっくり休みたいたい時もあると思うので、そこは協力していただいてました。 お部屋でもできたら可愛い帽子で過ごせたらいいのと、沐浴指導など他のママと一緒になるときもあるので、ウィッグも必須ですね。看護士、医者の診察も頻繁で、シャワー室が他の部屋にあったりするので、ぱっと、手が届くところにウィッグがあると、良いですね。保管の方法は、エコバッグにウィッグをタオルで包んで入れてましたが、ウィッグスタンドを、見えない所へおくような場所は私の場合は、あまりなかったです。枕元にエコバッグを置いて、人がいつ着てもいいようにしたりしてました。出産時のウィッグは汗をかいていて、不衛生なので、出産後に綺麗なウィッグを付けれたらいいんじゃないかなと思います。入院グッズに忍ばせてもいいかも。(mitanさん)

頭のことはどうでも良く必死すぎます。出産時の時間は読めないので、顔もすっぴんかもしれない状況なのですが、とにかく人の目を気にしてるどころではないです。全集中するために、とった方が絶対にいいです。汗を凄くかきます。集中できない要素は排除する、これが一番だと思います。ただ、産んだ後の写真撮影用に、簡単なメイク道具、ウィッグ持参、素頭用に帽子などのヘアターバンは持参をお勧めします。(mitanさん)

葉月

mitanさんのコメント、色々と出産時の事のイメージが付きやすいですね!私も事前にこのコメントを読んでいたら、出産が終わって写真撮影用にウィッグを被って身支度を整える時間を予めバースプランに練りこんでおいたかもしれません。

先輩ママ達からひとこと

私は脱毛症でのウィッグユーザーである事をあまりオープンにしていなかった(当時は脱毛症=ストレス、又は脱毛=がんというイメージが強かったので医療従事者以外説明が面倒くさいもあった)のですが、今はヘアロス原因は様々であり素敵なキャップなどもあります。出産だけで大事なのですから出来る限り自分が楽でいられるスタイルでいて欲しいです。(MFさん)

出来る限り自分が楽でいられるスタイル」心身ともに、このことが一番大切と私もおもいます。「ウィッグを被るか被らないか」、「ヘアロスの事を事前に伝えておくかどうか」、自分の心と身体に聞いてみてください。そして、MFさんがおっしゃるように今は可愛いキャップが沢山あるので、快適だけど可愛いスタイルでの出産も可能だと思います。

まとめ

私は数年前までは子どもとの生活をまったく考えていませんでした。現在の子どもがいる生活は、毎日が笑いと驚きに満ち溢れています。出産して本当によかったと今では思っています。

『子どもを産むか産まないか』選択は人それぞれです。環境や時期にも左右される事柄です。けれども以前の私のように、「出産する時のウィッグの対応が不安だから…」と、ヘアロスが理由で産まない決断をするのは非常にもったいないと思います。

これから出産を予定する方々に、少しでも安心して心に残る素敵な出産を迎える参考になればと思います。

Hazuki

3歳息子の母であり、このWEBマガジンの編集長。時々アパレルセレクトショップ勤務のファッションLOVER。26歳の時に頭からつま先まで全ての毛髪が抜け落ちる、汎発脱毛症になる。

よく転ぶし、失敗もする。そして落ち込む。モットーは『転んでもただでは起きない』。究極の精神的ケチである。

脱毛症になって10年以上苦しんだからには、この経験を人生のプラスにする為に、何ができるか?を考え始め、インスタグラムで自身の経験などを発信し始めた。

夢はSWW がVOUGE.JPに掲載されること。究極にオシャレで尚且つ最新の情報を発信できる存在となること。そして、沢山のヘアロスで悩む人達が一歩を踏み出すきっかけとなること。

ウィッグユーザーの出産事情

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