長期の脱毛症を克服した私が考える脱毛症のアプローチ方法【自己免疫疾患とは?分子栄養学の理論からの考察】

脱毛症へのアプローチ

こんにちは。栄養アドバイザーの松永加奈恵です。

かつて私は8年間という長期の脱毛症患者でしたが、数年前から髪の毛はすっかり生えそろい、以来脱毛におびえることが無くなりました。私の個人的な見解ですが、それまで無頓着だった食事について徹底的に見直した結果だと思っています。それ以来、栄養の大切さや体質改善の重要性を身をもって感じ、すっかり健康&栄養マニアに。栄養について一から勉強し直しました。

今回は、そんな経歴の私が考える「脱毛症の正体」をご紹介していきます。

目次

未解明のことが多い脱毛症

“髪が抜け落ちる” “抜けた髪が生えてこない”

そんな自分の身体がどうなっているのか、どうすればこの症状が治るのかが知りたくて病院に行くものの、未解明なことが多く肩を落としてしまう方も多いのではないかと思います。

かつての私がそうでした。

心配してくれる友人や家族から、「なんで治らないだろうね… 」「どうしたら治るの?」そう聞かれると「こっちが聞きたい!」と怒ってしまったり、悲しくなってしまったり。

“どうすれば治るのか分からない”ということが本当に悲しく、行き場のない怒りのような気持ちを常に抱えていたように思います。

脱毛症は自己免疫疾患の1つ

この病気の有力な説に、自己免疫疾患の1つであるということがあります。

未解明のことが多い脱毛症ですが、私はこのことが脱毛症を克服するにあたってとても大きなヒントになると考えています。

自己免疫疾患はいわば、免疫の誤作動によって起こる疾患です。

脱毛症の場合、「身体を守るための免疫系がちょっと勘違いしてしまい、悪くないはずの毛根を攻撃してしまっている。」そんな状態のことです。

免疫細胞などの免疫系が病原体と闘っているところ

だから、この勘違いしている免疫系に、正しい働きをしてもらえば良いのです。

その為には、自己免疫疾患がどういうものなのかを知る必要があります。

自己免疫疾患とは?

自己免疫疾患とひとくくりに言っても様々な病態があります。

・バセドウ病
・慢性関節リウマチ
・慢性甲状腺炎(橋本病)
・一型糖尿病
・全身性エリテマトーデス
・血管炎

これらの病態は全くの別物ですが、免疫系を正常に働かせるアプローチが必要という点では共通しています。

それでは、もう少し掘り下げて見ていきましょう。

自己免疫疾患は「難治性の慢性的な炎症」

“自己免疫疾患とは、本来自分の体を病原体から守るべき免疫系が、自分自身の組織、臓器を攻撃して“難治性の慢性的な炎症”を誘導する病気である“

引用先:大阪大学 生命機能研究科・医学系研究科・免疫学フロンティア研究センター旧免疫発生学研究室  引用元URL: https://bit.ly/3bxPZFN

自己免疫疾患は上記引用にもあるように、慢性的な炎症を誘導します。

つまり、“脱毛症は自己免疫疾患の1つで、慢性的な炎症を誘導する病気である”

このようにまとめることが出来ます。脱毛症の脱毛は、毛根が炎症を起こして毛が抜け落ちています。

ということで、私が考える脱毛症の正体は「体内の炎症」です。

この炎症の原因を絶つことが、脱毛症のアプローチに有効だと考えております。

脱毛症の治療にステロイドが用いられるのはこの炎症を鎮めるためです。私の場合は多発性の脱毛だったので、ステロイドを塗ったり、注射をしたりすることで生えることもありましたが、新たに抜ける髪の方が多く、抜けては生えての繰り返しでした。一時的な炎症で脱毛が起きている場合は、炎症を薬で抑え毛を生やすという流れで良いのですが、当時の私のように慢性的に身体のあちこちで炎症が起こっている体質になってしまっていたら、生えては抜けての繰り返しとなり、薬も意味をなさないのかもしれません。

慢性的な炎症は脱毛に限らず、万病のもととも言われています。

実は栄養学や体質改善の勉強をしていると、この「慢性炎症」というワードはとても多く出てきます。この慢性炎症が様々な不調や病態の根本的な原因となっていることがとても多いからです。

あなたも慢性炎症が起きてるかも? 身体からのサインをチェック

≪慢性炎症の症状≫
鼻炎、頭痛、便秘、下痢、繰り返すニキビ、季節に関わらず乾燥肌、敏感肌、アトピー、花粉症や日光アレルギーなどのアレルギー性疾患、喘息、手湿疹、リウマチ、甲状腺炎、肥満、腸の慢性炎症=リーキーガット症候群

ほんの一部にすぎませんが、これらはすべて慢性炎症から起こり得る症状です。どうですか。わりと身近に感じる症状も多いのではないでしょうか。

こういった症状は、身体の中で炎症が起きているサインの1つと捉えることが出来ます。上記のような症状が一時的でなく体質や肌質として感じられるほど続くようであれば、慢性炎症が進んでいるサインと考えることが出来ます。

“慢性炎症を伴う病気にはさまざまな種類があり、ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、関節リウマチなどの自己免疫性疾患が良く知られています。”

“最近の研究によって、これまで慢性炎症との関連についてはほとんど顧みられなかった病気でも、実は慢性炎症が関わっていることがわかってきました。加齢とともに増加するがん、動脈硬化、肥満、アルツハイマー病などの種々の疾患、さらには老化そのものも、慢性的な炎症性の変化によって症状が進行するのではないかと考えられる証拠が見つかってきました。”

引用元 国立研究開発法人科学技術振興機構  引用元URL: https://bit.ly/3eQkY24

上記引用にもあるように、慢性的な炎症が様々な病気の原因となっています。

私の場合で言うと、幼少期はアトピーでした。成長とともにアトピーは軽快しましたが、アレルギー性鼻炎、下痢をしやすいといった症状は常にありました。成人してからは膀胱炎を繰り返していましたし、25 歳頃から手湿疹もありました。
お分かりいただけるでしょうか。アトピー、アレルギー性鼻炎、下痢、膀胱炎、手湿疹…これらは全てに共通するのは“炎症”です。まさに慢性的な炎症が身体の中で起きていたと言えるかと思います。

「慢性的な炎症をいかに起こさせないか」ということが、脱毛症の根治治療においても非常に重要となります。

炎症の原因は人それぞれですが、上記のような慢性的な炎症がベースにあって、あるきっかけやタイミングで、コップから水があふれるように病気が発症します。

ちなみに前回の投稿で、腸壁に隙間が出来て未消化物や毒素が漏れ出すリーキーガット症候群についてお伝えしましたが、コレも腸の慢性的な炎症がきっかけで腸壁に負担がかかることで起こります。

リーキーガット症候群については多くの方に関係がある項目かと思いますので、別の記事で深堀していきますね。今回は、リーキーガット症候群も炎症のうちの1つなのだと捉えていただければOKです。

慢性的な炎症の原因となりうるもの

円形脱毛症の原因としてよく心理的なストレスがあげられるかと思いますが、心理的なストレスもまた体内で炎症を引き起こします。当然そのストレスが続くと、慢性炎症の原因となります。

ただ、私自身もそうでしたが、私がお話をしたことのある脱毛症患者の方も含め、必ずしも心理的ストレスを感じている方ばかりではないように思います。

慢性的な炎症の原因となるものはストレス以外にもいろいろとありますが、食事で言うと以下のようなものがあります。

・油のバランスの乱れ 

油には炎症を誘発する種類のものが多くあります。それらの油は安価なため、加工食品や外食、コンビニ食やお総菜などに多く含まれています。

・糖質中心の食事や、精製された砂糖

血糖値が食後に急激に上がりやすく、炎症を促進します。

・消化しにくい食事

未消化物は、腸内で炎症のきっかけとなります。特にグルテンを多く含む小麦や、バター以外のカゼインを多く含む乳製品は腸内にこびりつきやすく炎症の原因となりやすいのです。

まずはこれらの原因を一つ一つ対策していくことが、炎症に傾いた体質を改善させ、もしかすると脱毛症克服にもつながる重要なカギとなると考えております。

一見遠回りに見える食事療法。けれども…。

脱毛症で食事療法というと、果てしなく遠い道のりに感じるかもしれません。

ただ、意外かもしれませんが私はこの方法が治療の近道になると仮説を立てて考えています。

食事療法で体質改善をすることが、再発のリスクを下げる最良の方法だと考えるからです。

長期にわたる脱毛症の場合、炎症が慢性化して体質となってしまっている可能性が高く、外からの刺激や薬で髪が生えてきても、再発してしまう可能性がどうしても高くなります。

私の場合もですが、注射をしたところは生えてきても、別のところがまた抜けてしまうという具合で治療が進まなかったのです。

炎症に傾いた身体を食事療法を取り入れて整えることは、今現在の髪を生やすことにも、再発させないためにも必要なこと。色々な考えがあると思いますが私はそう感じています。

新しく期待を持てる医療機関での治療法も色々とあるかと思いますので、自分に合う治療法やドクターを探すことも重要です。

そのうえで、身体からのサインに耳を傾け、食事で整えてあげるとより良い結果となるのではないではないかと思います。

体質改善のカウンセリング

個別の栄養カウンセリング始めました。本気で体質改善をされたい方はぜひご連絡ください。最短ルートの体質改善ができるよう、私も一緒にあなたの体について考えていきます。

もちろん独学で取り入れたいという方へも、少しでもお役に立てる記事を書いていければと思っております。

私の経験や知識が、一人でも多くの方のお役にたちますように。

Kana

8年患った脱毛症を食事療法で克服した健康オタクです。

食事の変化で身体と心が変わる感動をたくさんの人に伝えるべく、フリーの栄養アドバイザーとして活動中。自作の腸育スープ=ボーンブロススープをネット販売しています。

家では、アレルギーや喘息の子どもたちの体質改善に日々奮闘中の3男子ママです。

◆保有資格◆
・オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(分子栄養学 栄養アドバイザー)
・健康増進マイスター
・野菜ソムリエ

脱毛症へのアプローチ

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